コース紹介
メカトロニクスコースでは、電気自動車、携帯電話、ロボットなど、私たちの身のまわりにある機器・設備を製作・コントロールするために必要な知識・技術を学びます。
メカトロニクスとは
「メカトロニクス」は、1969年に日本人技術者が考案、発表した和製英語で、メカニクス(機械工学)とエレクトロニクス(電子工学)を融合した学術分野を指します。現在では外国でも認知されており、大規模な国際会議が開催されるなど、世界中で一般名称として使われています。
それでは、ロボットを例に、その内容を少し詳しく説明しましょう。
最近、皆さんが目にするロボットの多くは「自律型」と呼ばれるタイプで、人間と同様に感覚器官(触覚・聴覚・視覚・平衡感覚)を備え、腕や足を自由に動かすことができます。こうしたロボットの機能をメカトロニクス分野の工学用語で表現すると、「感覚器官は各種センサーが、手足は機構(メカ)が、その自由な動作はアクチュエータとコントローラが担う」となります。すなわちメカトロニクスとは、今後ますますそのニーズが高まると考えられている高性能ロボットを実現するための要素技術であると言えます。ここで、ロボットには大きく2種類のタイプが存在することを覚えておいてください。その一つは、人間や動物の形態を模したロボットで、医療・福祉分野での活躍が期待されています。もう一つは、人の代わりに作業を行う機械としてのロボットで、生産工程の自動化を図るFAシステム(産業用ロボット,NC工作機械,無人搬送車など)はその代表です。また、いま話題のハイブリッドカーをはじめとして、エレベータ,全自動洗濯機など、私たちの日常生活に関係する様々な機器や設備も、メカトロニクス技術によって支えられているのです。
メカトロニクスコースの特徴
メカトロニクスは、機械のコントロールに電子技術やコンピュータ技術を利用し、その高性能化や自動化をはかるための技術です。そのためメカトロニクスコースでは、機械工学と電気電子工学をベースに、メカ・ハード・ソフトをモジュール化するために必要な知識・技術を学ぶことになります。下表がそのカリキュラムです。
オレンジ が機械工学分野の科目、 ピンク が電気電子工学分野科目、 グリーン は両分野を横断する共通科目、そして、 ブルー は実験実習系科目となります。1, 2年次で技術者に必要な基礎的スキルを身に付けてもらい、3年次以降の専門課程でメカトロニクスに特化した知識・技術を重点的に習得できるよう構成されています。
科目名 | 単位 | 学年別配当 | |||||
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |||
工学基礎 | 総合工学システム概論 | 1 | 1 | ||||
総合工学実験実習Ⅰ | ④ | ④ | |||||
製図基礎 | 1 | 1 | |||||
基礎工学演習Ⅰ | 1 | 1 | |||||
基礎工学演習Ⅱ | 1 | 1 | |||||
総合工学実験実習Ⅱ | ④ | ④ | |||||
専 門 | 工業材料 | 1 | 1 | ||||
工業力学 | 2 | 2 | |||||
設計法 | 2 | 2 | |||||
電気回路Ⅰ | 2 | 2 | |||||
電磁気学Ⅰ | 1 | 1 | |||||
CAD設計製図 | 2 | 2 | |||||
電気機械工作実習 | ④ | ④ | |||||
材料力学 | 2 | 2 | |||||
熱力学 | 2 | 2 | |||||
流体力学 | 2 | 2 | |||||
電気回路Ⅱ | 2 | 2 | |||||
電子回路 | 2 | 2 | |||||
電磁気学Ⅱ | 2 | 2 | |||||
工学演習 | 1 | 1 | |||||
制御工学 | 1 | 1 | |||||
基礎研究 | ② | ② | |||||
電子機械工学実験Ⅰ | ④ | ④ | |||||
機構学 | 1 | 1 | |||||
人間工学 | 1 | 1 | |||||
メカトロニクス | 1 | 1 | |||||
ロボット工学 | 1 | 1 | |||||
システム制御工学 | 1 | 1 | |||||
信号処理概論 | 1 | 1 | |||||
パワーエレクトロニクス | 2 | 2 | |||||
計測工学 | 1 | 1 | |||||
システム工学 | 1 | 1 | |||||
センサー工学 | 1 | 1 | |||||
電気機器 | 1 | 1 | |||||
電子機械工学実験Ⅱ | ② | ② | |||||
卒業研究 | ⑧ | ⑧ |
必修得科目は単位数が丸で囲まれています。